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by y_kmsm
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陰翳礼讃


谷崎潤一郎の随筆に「陰翳礼讃」があるが、今日の電気事情に接し思いだした。

文化の象徴である電気の進化は、昼夜の境を無くすのが、よし!とされてきた。
明るい光で、夜でも蔭をなくし全てが見えることが文化的とし、目の休まる時や
蔭の作りだす遠近を無視してきた感がある、と最近の節電をした繁華街で思う。

日本の文化に、光を弱く、柔らかくする工夫があったはず、直射を避ける障子、
照明器具を和紙でディフィーズし柔らかい光の下で物を見る美意識。

和式の作りに、部屋を少し暗くして外の景色や庭をよりきれいに見せる工夫もあった事を、
昼間の電車で感じた。照明を消したり暗くした車内から窓越しに外の景色が新鮮に見えることを。

「暴力的明るさ」が文化とされてきた昭和からの勘違いを見直す時期かもしれない。
衛星から撮影された地球を見ると、夜の日本は全土が輝いている。
アメリカや、欧州に行き夜の街を歩くと暗いと感じるはず、でも建物や街が
陰翳の立体感で映し出されるきれいさや、奥行きを感じるはずだ。


谷崎の美意識が「近頃の我々は電灯に麻痺して、照明の過剰から起こる不便という事に
対しては案外無感覚になっているらしい」警告していた。

もちろん節電で消されたライティングはいただけないが、今後は設計段階で「陰翳」を
意識した照明設計が、夜を魅力的にしていくと思うし、今考え、忘れてはいけない
震災の教訓の一つと思う。

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                       ニコン D200
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by y_kmsm | 2011-04-29 14:37 | 写真